環境へ
岡部憲明アーキテクチャーネットワークは、地球環境と人間の諸活動との関わりを思考するグローバル・デザインの為の設計研究組織です。東京を拠点として、国際的なネットワークを活かした幅広い領域にわたる活動を行っています。
岡部憲明は、レンゾ・ピアノと20年間にわたり協働、ポンピドゥー・センターとIRCAM音楽音響研究所のプロジェクトに参加し、センター開館後の拡張工事では、現代美術ギャラリーやIRCAM増設タワーの設計など、長期にわたりポンピドゥー・センターの発展にもたずさわりました。さらにこの間、IBM展巡回パヴィリオンなど建築分野での仕事に加え、フィアット社の新たなコンセプトカーVSSのデザインや、大型客船クラウン・プリンセスの設計、イタリア国営放送RAIによる建築教育番組と、新たなデザインの方向を求める試みにも協働してきました。
1988年、岡部憲明は、関西国際空港旅客ターミナルビル国際設計競技にプロジェクトリーダーとして参加、最優秀賞に選ばれた後、レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップ・ジャパンの代表取締役・同プロジェクト設計責任者として、ターミナルビルプロジェクトの完成まで仕事を続け、ターミナルビルの完成後、レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップから独立、設計研究組織・岡部憲明アーキテクチャーネットワークを1995年に東京で設立しました。
岡部憲明アーキテクチャーネットワークはポンピドゥーセンターから関西国際空港旅客ターミナルビルに至る、岡部憲明の経験の蓄積に、さらに多様なデザイン分野における活動を重ねて今日にいたります。デザインの研究及び実践は個人住宅から研究施設、生産施設、文化、商業施設などの建築分野から美術館、博物館の展示空間のデザインに加え、小田急ロマンスカーVSE、MSEなどの鉄道車輌のトータルデザインにまで及びます。これらの多領域にかかわる中で私達は人間の知覚、身体性を重視し、公共性、社会性の価値を尊重する事をデザインの基底において、地球の自然環境、各地域に根ざした社会環境や芸術文化、今日の技術的展開を視野に入れた質の高いデザイン、人間性を重視した社会環境の実現に役立つ設計研究活動を押し進めていくことを志しています。